掛け軸/掛軸/禅語「猿抱子帰青嶂後(さるは こをいだいて せいしょうの しりえに かえる )」

『傳燈録』 夾山善會(かっさん ぜんね)禅師の章に「問如何是夾山境。師曰。猿抱子歸青嶂裏。鳥銜華落碧巖前。」 (問う、如何なるか是れ夾山の境。師曰く。猿は子を抱いて青嶂の裏に帰る、鳥は花を銜んで碧巌の前に落つ。)と見える。『祖堂集』に「羅秀才問。請和尚破題。師曰。龍無龍�。不得犯於本形。秀才云。龍無龍�者何。師云。不得道著老僧。秀才曰。不得犯於本形者何。師云。不得道著境地。又問。如何是夾山境地。師答曰。猿抱子歸青嶂後。鳥銜華落碧巖前。」(羅秀才問う、請う和尚、破題せよ。師曰く、龍に龍躯無し。本形を犯すを得ず。秀才云く、龍に龍躯無しとは何ぞ。師云く、老僧を道著することを得ず。秀才曰く、本形を犯すを得ずとは何ぞ。師云く、境地を道著するを得ず。又た問う、如何なるか是れ夾山の境地。師答えて曰く、猿は子を抱いて青嶂の後に帰る、鳥は花を銜んで碧巌の前に落つ。)とあり、羅秀才が夾山和尚に、あなたの境地はと問われたとき答えて、夾山和尚はその居所の景観を詠んで、猿が子を抱いて木々が青々と茂る山の向こうに帰っていき、鳥が花を口にくわえては緑の岩の前に舞降りてくよ。猿無心、鳥もまた無心、自ずからからなる動きをしている。これすなわち悟りの境地か。

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実際は「猿抱子帰青嶂後 鳥啣花落碧厳前」としてよく使われます。
『猿は子を抱いて青嶂(せいしょう)の後(しりえ)に帰り、 鳥は花を啣(ふく)んで碧厳(へきがん)の前に落つ』と読みます。「碧厳集」の中の一節です。 「碧厳集」は、沸果圜悟禅師(1063~1135)が集録し、完成したものです。

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金閣寺の庭の一部でも一般的には注目されていないが、ここにも碧巌録の世界が展開されています。

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