掛け軸/掛軸/禅語「拈華微笑(ねんげみしょう)」
『無門関』の「世尊拈花」に「世尊昔在靈山會上、拈花示衆。是時衆皆黙然、惟迦葉尊者破顔微笑。世尊云、吾有正法眼藏、涅槃妙心、實相無相、微妙法門、不立文字、教外別傳、付囑摩訶迦葉。」(世尊、昔、霊山会上に在って花を拈じて衆に示す。是の時、衆皆な黙然たり。ただ迦葉尊者のみ破顔微笑す。世尊云く、吾に正法眼蔵、涅槃妙心、実相無相、微妙の法門有り。不立文字、教外別伝、摩訶迦葉に付嘱す。)とあり、釈迦が霊鷲山(りようじゆせん)で説法した際、花を拈(ひね)り大衆に示したところ、だれにもその意味がわからなかったが、ただ摩訶迦葉(まかかしよう)だけが真意を知って微笑した。釈迦は自分には正しく無上の法門、仏と宇宙の根本原理、法の真実の姿、非常に深く不可思議な法門がある。それは言葉ではいい表せない以心伝心のものだが、摩訶迦葉に全て授けるといったという。禅宗で以心伝心で法を体得する妙を示すときの語で、禅宗における師資相承(ししそうじょう)の始まりとされる。『人天眼目』の「宗門雜録」に「王荊公問佛慧泉禪師云。禪家所謂世尊拈花。出在何典。泉云。藏經亦不載。公曰。余頃在翰苑。偶見大梵天王問佛決疑經三卷。因閲之。經文所載甚詳。」とあり、『大梵天王問佛決疑經(だいぼんてんのうもんぶつけつぎきょう)』を出典とし「爾時如來。坐此寶座。受此蓮華。無説無言。但拈蓮華。入大會中。八萬四千人天時大衆。皆止默然。於時長老摩訶迦葉。見佛拈華示衆佛事。即今廓然。破顏微笑。佛即告言是也。我有正法眼藏涅槃妙心。實相無相微妙法門。不立文字。教外別傳。總持任持。凡夫成佛。第一義諦。今方付屬摩訶迦葉。」とみえる。ただ、建長7年(1255)日蓮の『蓮盛抄』に「禅宗云く、涅槃の時世尊座に登り、拈華して衆に示す。迦葉破顔微笑せり。仏の言く、吾に正法眼蔵涅槃の妙心、実相無相微妙の法門有り。文字を立てず教外に別伝し、摩訶迦葉に付属するのみと。問うて云く、何なる経文ぞや。禅宗答えて云く、大梵天王問仏決疑経の文なり。問うて云く、件の経何れの三蔵の訳ぞや。貞元開元の録の中に曾つて此の経無し、如何。禅宗答えて云く、此の経は秘経なり。故に文計り天竺より之を渡す云云。問うて云く、何れの聖人、何れの人師の代に渡りしぞや。跡形無きなり。此の文は上古の録に載せず、中頃より之を載す。此の事禅宗の根源なり。尤も古録に載すべし知んぬ。偽文なり。」とあり、貞元16年(800)円照が編纂した『貞元釈教録』、開元18年(730)智昇が編纂した『開元釈教録』の仏教経典の二大目録に見られないところから偽経とする。------------------------------------------------------------------------------------------------
拈華微笑 意味
言葉を使わず、心から心へ伝えること。また、伝えることができること。▽仏教語。「拈華」は花をひねる意。「華」は草木の花の総称。「拈」は指先でひねること。
拈華微笑 句例
◎拈華微笑の間柄
拈華微笑 用例
心敬は「無師自悟」とか「頓悟直路じきろの法」とか、禅語をしきりに使っている。そしてそれを追いつめてゆけば霊山の拈華微笑までゆくだろう。<唐木順三・日本人の心の歴史>
拈華微笑 類義語
以心伝心いしんでんしん 教外別伝きょうげべつでん 不立文字ふりゅうもんじ
拈華微笑 故事
釈迦しゃかが弟子に説法しているとき、一本の花をひねって見せたが、弟子たちはその意味を理解できず沈黙していた。ただ一人、迦葉かしょうだけが悟ってにっこりと笑った。釈迦は、迦葉が言葉で表せない仏教の奥義を理解できる者として、彼に仏法の奥義を授けた故事から。
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仏語。釈迦が霊鷲山(りょうじゅせん)で説法した際、花をひねり大衆に示したところ、だれにもその意味がわからなかったが、ただ摩訶迦葉(まかかしょう)だけが真意を知って微笑したという故事。そこで釈迦は彼にだけ仏教の真理を授けたといい、禅宗で、以心伝心で法を体得する妙を示すときの語。
[補説]この語の場合、「微笑」を「びしょう」とは読まない。
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拈華微笑(ねんげみしょう)とは、禅宗において禅の法脈を釈尊から受け継いだとされる伝説のこと。
インドの霊鷲山(グリドラクータ)上で釈尊が黙って華を拈(ひね)ったところ、大衆はその意味を理解することができなかったが、迦葉尊者だけがその意味を理解して破顔微笑したため、迦葉に禅の法門を伝えたという伝説である。
聯燈会要・釈迦牟尼仏章には「世尊在霊山会上。拈華示衆。衆皆黙然。唯迦葉破顔微笑。世尊云。吾有正法眼蔵、涅槃妙心、実相無相、微妙法門、不立文字、教外別伝。付属摩訶迦葉」とある。また大梵天王問仏決疑経にも「正法眼蔵・涅槃妙心、微妙(みみょう)法門あり、文字を立てず教外に別伝して迦葉に付属す」とある。
この伝説は、経論律の三蔵には説かれておらず、禅宗興隆当時に他宗の教判やその実証に対抗するために案出されたものとされ、唐の徳宗の末頃に金陵の沙門である慧炬が寶林傳を撰して、この伝説を記述し、その宗を誇大にしたことから始まるといわれる。宋代以降に人天眼目、無門関、五燈会元、廣燈録、聯燈会要などにこの伝説が記載されるようになり、宋の王安石はこの事は大梵天王問仏決疑経に出典されると述べている。
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